『浅岡 咲子』展
2014年2月20日〜3月2日(25日休廊)
ギャラリー『Another Function』(六本木)にて
絵画の強さについて、いつ頃から気にするようになったのかおぼえてはいない。
35年ほど前にジュネーヴの画廊で-誰かの具象的な絵だった-「これは強い」とカタコトのフランス語で言ったらすぐに通じたので拍子抜けしたことがある。佐倉の川村記念美術館から中東に売られていったバーネット・ニューマン畢生の大作《アンナの光》の溶鉱炉のような赤が懐かしい。強さとは、色とかたちのせめぎ合い、つまりフォーマリズムの別称とも言えるだろう。
浅岡咲子の荒削りだが、戦士が全身を奮い立たせているような必死の画面を前にして、そんなことを考えた。
テキスト / 本江邦夫
In Geneva, about thirty five years ago, I came across a figural painting in a gallery, and said in a broken French, “This one is really strong.” I didn’t know the reason why, but the unexpected was that it was well understood. As for the painting’s strength, I remember the field in red extended over the Barnett Newman’s masterpiece, Anna’s Light, reminding me of a flame in the furnace. The painting of a monumental size had been in the permanent collection of Kawamura Memorial DIC Museum of Art (Sakura City), and was sold off to Middle East.
From a Formalist point of view, the tension we find in paintings might mean the struggle between colors and forms. This is what I thought about, faced with Asaoka Sakiko’s works, unrefined and yet impressive like a woman warrior stirring herself up into the final battle.
TEXT by Motoe Kunio
【作家履歴】
浅岡 咲子 (あさおか さきこ)
1989 東京生まれ
2012 東洋美術学校高度絵画専攻造形美術科 卒業
在学中にて イギリスへ交換留学
【入選・受賞】
専門学校表彰 受賞
シェル美術賞2012 入選
損保ジャパン美術賞FACE2014 審査員特別賞 受賞(2014年の2月21日授賞式予定)
【展示歴】
2011
・Final Exhibition / Bornville Campus(イギリス)
・Kahal Art Group ACT1 / 東美ギャラリー(新宿)
・五人囃子 / Coexist(秋葉原)
・さきこの第一歩展 / 東美ギャラリー(新宿)
2012
・ブリコブリッコ展 / ブリコラージュ(新宿)
・Interactive Youth / ギャラリー檜(京橋)
・Kahal Art Exhibition / 文房堂ギャラリー(神保町)
・東洋美術学校卒業制作展 / 国立新美術館(六本木)
・Gallery Hinoki Art Fair XIV / ギャラリー檜(京橋)
・ふたり展 / ギャラリー檜(京橋)
・ASIAN AGE2 / アートコンプレックス(四谷)
・Hinoki Annual / ギャラリー檜(京橋)
・シェル美術賞 / 国立美術館(六本木)
2013
・Interactive Youth / ギャラリー檜(京橋)
・ガラパゴス・ファイン3 / たけだ美術(銀座)
・肆彩の会 / あかね画廊(銀座)
・Contemporary Art Festival2013 / National Gallery(バングラディッシュ)
・ブリコブリッコ展 / ブリコラージュ(新宿)
・Gallery Hinoki Art Fair XV / ギャラリー檜(京橋)
・ASIAN AGE2 / アートコンプレックス(四谷)