あれはたしか『バットマン・ビギンズ』(2005)だった、人に見るもおぞましい幻影を見せて恐怖を植えつけ、発狂へと追い込む精神薬理学者が出て来たのは。これは裏を返せば、私たちにふつうに見えているものは、私たちが見ようとしているものに他ならず、しかもそこには正常であろう私たちの内なる視の形式=制度の不動性がはたらいているということだ。
私たちは本当は何を見ているのだろうか?鈴木星亜の一連の営為の理念性を支えているのは、まさに根源的なこの問いかけである。
テキスト/本江邦夫
As I remember, it was ‘Batman Begins’ (2005) in which the psychopharmacologist appeared and showed horrific illusion to grip people with fear and drive them mad.To put it the other way around, what we see normally is no more than what we want to see.Moreover, our inner manner of sight =immobility of system, which supposed to be normal, functions there.
What do we see in reality? It is certainly the fundamental question which supports the ideology of Seia Suzuki’s series of works.
text/Kunio Motoe
略歴/鈴木星亜
1986年
東京都生まれ
2008年
メリルリンチ・チャリティ・アートオークション「未来の巨匠たち」入選(メリルリンチ日本証券株式会社/東京)
三菱商事アート・ゲート・プログラム入選 (EYE OF GYRE/東京)
グループ展「遊美」(タワーホール船堀/東京)(08,09,10年)
グループ展「鑓水ときめきランデブー」(相模原市民ギャラリー/神奈川)
viaart2008 EFD入選(シンワアートミュージアム/東京)
2010年
ワンダーウォール2010入選 (東京都現代美術館/東京)
グループ展 「シブヤスタイルvol.4」 (渋谷西武/東京)
現在 多摩美術大学大学院美術研究科油画専攻領域在籍