10月12日/事の顛末
始まりは、8月末だったと思います。某Cランショップにて手頃に遊べる液体ロウソク使用のランプを購入致しました。後日、若い人達が集まって騒いだ後、彼らがランプを消灯してくれたのです。日頃ランプなど見たこともない人達ですから、消し方が分からなかったようです。ランプの芯をタンクに落下するまで、巻いて消してくれました。
それを知ったのは、翌日でした。それから、私に頭のなかでトラウマのように「芯を探さなくては・・」という声が響き始めました。先ず、芯の素材が分かりませんでした。そこでイメージしたのが、アルコールランプの芯でした。多分、綿素材の編ロープだったのではと思い出しました。そこで綿素材のベルトを探し始めました。しかし、なかなか巾が合いません。スタッフにも見つけて来るようにお願いしました。また、意外だったのは綿100%が入手困難ということでした。つまらない小さな事が、大事になりました。また、週末に客が来ると思いながらも新宿まで購入に行けない程多忙なウィークデーでした。
来客のある当日、いよいよ切羽詰まって参りました。スタッフが購入してくれたベルトの巾は広過ぎました。時間もないし、胸はバクバクです。そこで、タンクに落下した芯をなんとか取り出せないかということなりました。いろいろな手段が考えられました。幾つか試したのですが、うまく参りません。隣で家人の怒号が飛びます。外野のヤジを 無視しながら、全く原始的であり試みなかった方法を最後に試す事に致しました。
先ず、液体ロウソク をタンクから抜きました。丁度、テレピン油の筆洗がありましたので、それに移しました。溢れて、手の甲にたっぷり掛ってしまいました。外野のヤジ「ドジ、間抜け!!!」が飛びます。私も「そんなに言うなら、お前やれよ」攻撃で反撃です。とにかく、溢れた油を拭くために何か必要です。「ヤジは良いから、なにか拭くもの持って来てよ」攻撃で一時遠ざけました。注意深くタンク内を見渡したのですが、といってもとても小さな注入口なのです。遠目、近目で探しました。見つかりません「そんなことないわよ、よくみたら、いつも駄目なんだから」攻撃が容赦なく参ります。「ちゃんと見てるよ、バカ」攻撃でお返しです。
そんなこんなで、よくよく見てみましたらテープがタンクの縁に立って、へばりついて居りました。見つけましたが、さてどのようにして取り出すかで揉め始めました。それ程、オイル注入口が狭いのです。外野は「針金の先を釣り針のようにして、取れ!」と煩いのですが肝心な針金がありません。額縁制作のときに脱脂綿を巻き付ける焼き鳥の串も試しましたが無駄でした。「ったく、ヘタクソなんだから私に貸して御覧」と宣います。「んじゃー、やってみろよ」とは応戦致しません。クールに「そこの害虫とりピンセット付きのハサミ貸してよ」と伝えて、「速くしろよ、グズ」攻撃に換えました。その後、見事に私の活躍で取り出したのですが、よくあの小さな口から出て来たと思いました。小さな口とは家人の放言ではなくて注入口です。作業が終わって、家人が分析するにはテープが湿っていて良かったのではないかということになり。私も「そうだな」と余裕で応えましたが、教訓がありました。何事も効率よくと考えがちですが、素朴ではあっても真っ直ぐに目標に向かう方が、案外近道かもしれないということでした。
掲載の写真は、その夜、結婚が近いかもしれないカップルにプレンゼント致しましたランプの明かりでございます。僅か1時間程のバトルでしたが、カラッと晴れた秋晴れの 屋上での出来事でした。若いお二人はお幸せに。